ランパタージュ




1400リットルの容積があるタンクや大鍋で8トンの石鹸を作ります。
まず最初に、植物性油と苛性ソーダを混ぜ合わせ、少しずつ地中海の塩を入れていきます。
タンクの底にある螺旋管の中の蒸気が循環することによって、原料を煮続けます。
そして化学反応によって、苛性ソーダが油を「パット」(ペースト状の物)と精製塩にします。
この製造方法は「ランパタージュ」と呼ばれ、8時間続けられます。
また、「パット」を作るためには、約100度で4時間に詰めなければなりません。その間、定期的に古くなった苛性ソーダを澱引きし、新しい物を加えていきます。



ラヴァージュ



その後、一連の「ラヴァージュ」の作業に入ります。
タンクの上から冷たい水を振りかけると水の方がパットより重いため、不純物と一緒に沈殿していきます。
この時、パットの中の苛性ソーダの割合も一緒に下がっていきます。



パット



パットは煮詰まるとすぐに、鍋の中のようになります。
石鹸職人は素早く長い櫂をつかみタンクの上部をこぐようにかき分けます。
すると、新しい石鹸の素が姿を現すのです。
3〜4日この新しい石鹸を寝かしておきます。
その後、石鹸をなめることにより「ラヴァージュ」の作業が完璧であるか確認し、タンクを暖めるのをやめて、木の板とボール紙で熱を逃がさないように蓋をします。
そして、36時間パットを休めるのです。



ミーズ


パットを休ませている間、石鹸職人達は「ミーズ」と呼ばれるパットを流し込んで固めるための枠(プール)の準備をします。
前に流し込まれた石鹸のかすを除去するため、セメントの底を磨いて、新しいパットが完全にくっついてしまわないように少し塩分を含んだ水で洗います。
また、ミーズの中に注文された石鹸の大きさに合わせて仕切を設置し、帯状の紙を被せます。
そして「リゴル」と呼ばれる樋が置かれ、タンクの底とミーズが結ばれます。
石鹸職人はパットを流して、流れる様子からパットの状態が完璧であることを確認します。
そして、この最初の流し込みを利用して仕切とそれに被せられた紙をコテを使ってくっつけます。
これは、ミーズを漏らさないためです。



アラブル



タンクの栓が開けられ、「ミーズ」と呼ばれる枠にパットが流し込まれます。
その姿はまるで溶岩のようです。
そして、極薄い膜が表面に出来てきます。
最後まで残ってしまった不純物を取り除くための大きな容器でパットは濾過されます。
ミーズが一杯になったら元栓は閉められ、「アラブル」(耕作に適している状態)の作業に移ります。
職人は、まだ液状であるパットの表面をならしておきます。



切り取り作業

石鹸は48時間寝かされた後、ミーズから取り出されます。寝かされている間に石鹸は、ゆっくりと乾燥し、固くなっていきます。
そして、その表面にコンパス、定規、ヤスリによってブロックの線が引かれ、二人の職人によって切り取られます。
このときに使うナイフをうまく操るのは大変難しい作業なのです。



仕上げ作業




切り取られた各ブロックは切り分け作業の為の台に置かれ、針金を張った2つの枠に通され、小さく切り分けられます。
切り分けられた石鹸は、空気の流れを良くする為に、十分な間隔を石鹸の間に取り、最低2週間、静かに乾燥させられます。

最終工程として、販売前に商標を刻印します。
石鹸職人は、規則正しく様々な文字が組み込まれた刻印機の中央に固くなった石鹸を置き、押し当てて印をつけていきます。
このこくいんは、セラァイユ社のマルセイユ石鹸が伝統的な製法を受け継いでいる本物の石鹸であるという証拠なのです。

 

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